日本の食糧自給率、13年ぶりに40%切る 天候不順やコメ離れで
コメの自給率というのは、 高校の時に地理の授業で習ったことを今でも覚えている。 今(その頃)、日本の輸入が完全にストップしたときに、 日本の食糧はどの程度自給できるのか、という問題だ。 自給も何も、輸入が完全にストップしたら自給率は100%にならざるを得ないのだが、 その時のポイントはコメがどの程度まかなえるのか、という話だ。
当時、コメの自給率は100%だった。 ここ数年は、95%程度で推移しているのだが、 これはコメの輸入があるからそうなっている訳で、 減反などを止めてフル生産すれば、 日本のコメは100%国内産でまかなえると錯覚しがちだ。
ところが、その授業で習ったのは、 半分も無理ではないか、という驚愕の推測である。 95%ではなく、半分になってしまう、そのトリックは一体どこにあるのか?
現在、日本のコメはどうやって作っているか。 昔なら、お百姓さんが腰を曲げて田植えして、 稲刈りは一家総出で、というような光景があった。 しかし、それは数十年前の話だ。 今では、そのような光景は珍しい。 田植えも刈り取りもあたり前のように機械を使っている。 草刈りも手を使うよりは除草剤、 病気にかかるといけないから農薬を大量に、いや、適度に使う、 そのようなことが当たり前のように行われているのが現状だ。
いや、今回はそのようなことを批判したいのではない。 むしろ、最低の手間で最高の収穫という厳しい要求条件を満たすための知恵として、 賞賛すべきことなのかもしれない。 ただ、その時の社会の授業で習ったことは、こうである。 もし輸入が完全に停止したら、 石油・石炭を殆ど100%輸入に頼っている日本では、 備蓄分を使い果たした時点で、石油・石炭が使えなくなるということを意味する。 そうなると当然、 ガソリンがないから耕運機もコンバインも動かないし、 石油がなければ、農薬を作ることもできない。 そのような状況で、コメの収穫量は、現在の何割程度に落ち込むか、 という話をしているのだ。
一見完全自給のように見えているものでも、 実は間接的に輸入に大きく依存している、 そのようなモノは結構あるのではないか。 いや、殆どのモノがそうではないだろうか。
今の社会の授業でも、 そういうことは教えているのだろうか?
- 2007.08.12 Sunday
- AFP BB News
- 00:46
- comments(4)
- trackbacks(1)
- by phinloda
輸入が完全に停止するということは、日本が海外からモノを買わなくなるということですから、日本国内にある外貨は無価値になります。従って輸出して外貨を得ても価値がなくなりますから、輸出も止まります(PS3が全部国産だったとして、海外で1000ドルで売れるとしても、その1000ドルでは何も買えないのですから、誰も売りたいと思わないわけです)。
つまり輸入が完全に停止するということは、鎖国することになります。江戸時代の人口くらいなら生き延びられるのではないでしょうか。